黄葉か紅葉か
TAT










J・D・サリンジャーの事を考えると泣きそうになる
ホールデン・コールフィールドの事を考えると哭きそうになる

スティーブン・チョボスキーの事を
チャーリーの事を考える時

僕はいつも鳴きそうになる

或いはハンス・ギーベンラートの事を
村上春樹の自殺した親友のキズキ
自意識過剰の病に罹り
妙な歩き方で歩いていた
学生の頃の大江健三郎の事を考えると

啼いてしまう


























俺は俺で



今も1997年の鴨川沿いの美術高校で



石を彫っていたあの秋から逃れられないでいる





京都府立医大の神経科に担ぎ込まれたあの秋を
















まるで



母親のように愛し憎んでいる



























二千年も二十年過ぎて






文学は詩歌は

今も







世界のあちこちで猛威を振るってるぜ











コロナなんか目じゃないぜ


































燃えるようなドウダンツツジの赤を愛するか

陽が沈むような
黄金の銀杏のイエロウを愛するか





















それが問題だ

































































大きな声じゃ言えないが


実は欠陥人間なのさ


君のクラスの一番うしろ


一番うしろにもパーマンはいるぜ



お前のクラスにもそいつはいる























自由詩 黄葉か紅葉か Copyright TAT 2022-11-20 14:56:20
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