大便者
花形新次

私は
便意に導かれるように
朝目覚めてすぐに
トイレへと向かう

小さな窓から
漏れ聞こえる
小鳥のさえずりや
透き通った
青空とともに

私は
私の肉体に
吸収され
生きる力となった
有機物
無機物達の
残骸を
思い切り放出する

その瞬間
私の意識は
この宇宙を飛び越え
他の宇宙へ
また他の宇宙へと
無限に解放される

さようなら、大便

立ち上がるとともに
自動で立ち去ろうとする
大便に
最期の別れを告げる

遠い日に
また別の形で
再会出来ることを信じて
大便よ、今は静かに
海へ帰れ





自由詩 大便者 Copyright 花形新次 2022-10-01 13:45:35
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