衣替え
ミナト 螢

洋服は
長袖を着たけど
心はどこにも仕舞えない

光に晒されて
その瞬間は
頬が緩んだ

綺麗なものの側にいたい
例えば金木犀

むせ返るような甘い香りが
降り注いで

立ち止まっていた時間に
針を差す

心はひとつしかないはずがない
いつも分裂しながら
背が伸びるから
裸のままで良い


自由詩 衣替え Copyright ミナト 螢 2022-10-01 07:26:33
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