ひとの こころ
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傾いた沈黙を落下していた
喉が黒くなるまで回りながら
部屋と丘を繋ぐのはひかりの澱
落ち葉の形をした唇が震えながら捕まえる

どんな苦労を積んでここまで無口になったのか
愛する人との別れを何度も重ね
冷たい笑いを上手になって
折りたたんだ翼を引っ掻くんだね

心の階層をどこまで降りられるのか知るために
思い出を切り、刻み、すこし味見して
沈黙を守る過去を振り向かせようとするなみだ

人のこころは変化する多面体
その中心にはきっとかがやく球体があって
時間から解き放たれた流れを生きている



自由詩 ひとの こころ Copyright soft_machine 2022-09-08 22:03:02縦
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