分厚い遮光カーテンの/偶然の隙間から/射し込んできた光は
TAT







世界はコロナを憎んでいるけれど

僕らはコロナウイルスの野郎には

実は大いなる借りがあって











これは大きな声じゃ言えないけれど


僕とサンはコロナのお陰で

田舎の病院で出会い


結婚をした










お互いに
離婚歴があること
ハンバート・ハンバートが好きなこと
ミルクボーイと
ミッシェルガンエレファントと
ヒコロヒーが好きなことを
確認しあってから

割り勘でルートインホテルで
責任は全てお酒になすりつけて
セックスをした

































僕らはお互いに
相手に言えない秘密を抱えていた















































彼女には大きな借金があった





































僕は人間がおそろしくて




実家に十年も隠れ棲んでいた


















































































でもじきにそれらはバレた







































というかお互いに

バラしたかったんだと思う














































一個目の問題は









僕が死にものぐるいで働くことで解決することにして






























二個目の問題は






















僕が死にものぐるいで働くことで解決することにした
































































































僕とサンとの間には

来月

ヤンという子が産まれる









本当はcovid-19
という名前にしようかと思ったのだけど









あまりにも不謹慎かと自重して









ヤンにした



































男の子でも女の子でもヤンだ







































































自由詩 分厚い遮光カーテンの/偶然の隙間から/射し込んできた光は Copyright TAT 2022-08-28 03:20:40
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