自称詩人をやめなさい
花形新次

お前には何の価値もない
生きていることに意味はない
ただ食って寝るだけの
単なるニートで良かったのが
自称詩人になったため
マダニ級の厄介者になりやがった

自称詩人にだけはなるなよと
言っていた
父は怒り、母は泣き崩れ
「お前が自称詩人をやめないなら
お前を殺して俺たちも死ぬ」と
やっとのことで
絞り出した声にも
全く耳を傾けることなく
「それでも私は書いて行きます」
なんて中野重治の小説の主人公みたいな
セリフを吐いたは良いが
それを聞いていた
シニカルな妹に
「それでも書いて行くってほどのものかよ」
と爆笑された
哀れ、自称詩人よ
親兄弟に迷惑を掛ける前に
早くやめてしまいなさい






自由詩 自称詩人をやめなさい Copyright 花形新次 2022-08-08 20:44:47
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