フジロックで君は
TAT


結婚が決まったと言った
俺は
何だよそっちが本題かよと
急に興醒めて
来週火曜から又
京都市左京区の吉田の
研究所に戻って
ラット共を大量に殺戮して
薬を作る仕事に
戻るのが急に
やんなった



サボタージュしたくなった



いわゆる忌野清志郎の

いわゆるトランジスタラジオ気分だ










けれども「トモダチ」
だから

一応本気で「オメデト」は
言わないとなって



本域でそう言ったけど










流石に白々しかったかもなって








自分を諌めて今日に至ってる























あの十六年前の夏から
















大人になれないまま









今に至ってる





































少年少女どもよ
気を付けろよ

人間はふとした瞬間に

二度と解けない魔法を掛けられて

アマガエルに堕ちて































井戸の天井の上の


汚れた木の枠組みに


一杯いっぱいの


満月を望みながら









ぼたぼたと涙を流して








ゲコゲコ!と







遠吠えるしかなくなる事もある





















それは民話や童話の中だけでなく



















































現実でも起こるぜ
















































































あの夏のフジロックで
あの人は
結婚すんねんと
そう言って







それは生涯抜けない




美しいクリスタルの青い針になって
















俺の心臓に刺さって今も刺さってる



























































































































ただの昔話だ















ナールズ・バークレイが




フジロックに来た年の話だ


自由詩 フジロックで君は Copyright TAT 2022-08-07 21:58:41
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