女學生日記 十三
TAT


四月三十日 日曜
天氣 雨
起床 六時五二分
就床 十時二〇分

雨が降りさうだつたので妹達は明日遠足 テル〳〵坊主なんかつくつてお祈りしてゐたが 雨がパラ〳〵降り出した
母が兵隊送りに行かれたので私は家の留守番をした
今日午後三時 出棺で桁山さんのお父さんのお葬式でした
雨にけぶる中を靈柩車が行く時は本當に淋しくなりました
五時半 家に歸つた
夜 お風呂へ行く



五月一日 月曜
天氣 晴
起床 六時二〇分
就床 十一時三七分

吉田先生より物品の貸借 教室の整頓 朝晩のあいさつ等のことについて御注意がありました
作文は短歌を暗記する
歴史は本が裁縫の本と同じ抱み紙なので閒違へた
横の所にも書いて置かないといけない
こんな事の二度無いやうに
英語も暗記の宿題が出る
夜 篠塚さんと一緒に勉强して寢る



五月二日 火曜
天氣 晴後雨
起床 六時三九分
就床  時  分

朝礼は運動場でした
中山先生の御注意がありました
お晝休みに林美智子さんと長谷部さんの日記を見せて戴きましたがとてもきれいに書いてありました
私もこれからあのやうにていねいに書かうと思ひました
少し順序が違ひましたが朝礼の時 校長先生の健康週間の催しについてお話しがありました
音樂の時間に雷がぴかりと光りましたのでびつくりしました
神社參拜と兵隊さんのお迎へがありましたが雨が降つてかみなりが鳴りますので中止となり英習字をやりました





散文(批評随筆小説等) 女學生日記 十三 Copyright TAT 2022-05-03 21:10:59
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