女學生日記 十二
TAT


四月二十七日 木曜
天氣 晴
起床 六時三〇分
就床 十時二七分

朝礼講堂 中山先生の御注意
小城さんは裁縫を家で先生がおつしやつた所よりもたくさんしるしつけまでしてありました
お晝ピアノを見ていただいた



四月二十八日 金曜
天氣 晴
起床 六時二〇分
就床 十時三七分

理科は卵の實驗をしました
放課後の六限は一年の方達と一緒に身体檢査をしていただいた
体重は二キロ 胸囲は二センチ許り増してゐた
家に歸つたら今正田の叔父さんが見えてお歸りになつたさうだ
百社參りの途中だつたとの事です




四月二十九日 土曜 天長節
天氣 晴
起床 六時三七分
就床 九時二〇分

式をすましてから家に歸る
晝食少し前だつた
「今 桁山の小父さんが亡くなられた」と云ふ事を聞いてびつくりした
此の間まで元気で表を掃除してゐられたのにと思ふと本當に可愛さうです
桁山さんは小さい弟妹を抱へてどうなさるでせうと思ふと本當に可愛さうです
二時 兵隊迎へに行く
夜勉强をして早く寢る





散文(批評随筆小説等) 女學生日記 十二 Copyright TAT 2022-04-30 02:14:35
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