小学五年生の日々
番田 

あの頃の僕は小学五年生だった。四年が終わると、あまりいじめもなくなり、クラスメートは少しだけ落ち着いた風で、あの頃から遊ぶ相手を選ぶようになっていたのだろうかと思う。近所の子供が集まっていた公園には良く行っていたのだが、電話を使って、約束を取り合って友達と会うようになってからは、もう、休日はそこには行かなくなっていた。時には離れた街にまで映画を見に行ったり誰かの家に泊まったりしていた。そんなことをしていた。クラブや部活動も、四年生の終わりにははじまっていたのだ。それまでいた誰もが帰るものは帰って、そうではないものは帰らずに活動をしていて、同じことを同じようにしていた時間はいつのまにか終わっていた。当時はそれは新鮮で楽しい感覚だったがそのことが寂しいと思っていた人も中にはいたのかもしれない。放課後に同じように時間をともにしていたひとときが。僕はソフトボールクラブに所属していた。時々打席に立っても前に玉は飛ばなかった。


散文(批評随筆小説等) 小学五年生の日々 Copyright 番田  2022-04-29 01:39:30
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