朝焼けパン
ピッピ

そういえば昨日は、
と言いかける君の唇をふさぎ
いいじゃない、
昨日のことは、

ぼくらは10億年を1日として過ごすことに決め
時計もすべて棄てた
昨日、
というのは
前世のことだ

朝がなかなか訪れない
あと10億年弱待たなければ
ぼくらは夜を終えられないのだ

欲しいものがあるの、
ダメだよ、
君の欲しいものは全部わかってる
君の欲しいものは全部明日にならなければ
手に入らない

そしてぼくは10億年生きて
新しい太陽を見ながら
やわらかいパンを食べていた
君といっしょに
食べるはずだった


即興ゴルコンダ


自由詩 朝焼けパン Copyright ピッピ 2005-05-02 02:36:48
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