距離と距離と距離
由比良 倖

僕たちの世界は全てこの星のこの一小節に包まれている


私からデータが漏れる寂しさの中で蚕みたいに泣いてる


夜の部屋、遠くで犬が鳴いている、犬には昔、名前があった


情報が流れ過ぎ去る音がする過去が未来に消えていく音


文字たちが廃れた朝に手を伸ばすことが出来ればそれでいいのに


その壁が存在してると信じて嘘を上塗りし続けていた


私には人類愛を説く資格がない、私は人類ですか?


夢見てたテーマパークに現実のこちら側から手を振っている


笑ってる私を理解しないでください呼吸が寂しいのです


短歌 距離と距離と距離 Copyright 由比良 倖 2021-07-01 20:48:12
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