かわいくない病気
吉岡孝次
蒸し暑い布団のなかで
抱ける女の身体を思っている
止まって見える天井に
愕然とする
同姓の先達のように晩婚
書くことは掻くことだ
掻こうか掻くまいか
「死ぬまで秤に掛けるの?!」
こういうとき妻帯のひと達は・・・
詩に時事を折り込むのは流儀ではないが
昨日 十数人の遺体が救い出された
ああ俺は一人に呆けてしまってるのではないか
父性愛が筆を鈍らせるように
みんな冬が怖いのさ
だから死んでしまうのさ
未詩・独白
かわいくない病気
Copyright
吉岡孝次
2005-04-24 07:44:44