炭酸海廊
オオカミ
なんだかね
すべてがあたりまえでさ
あの銀色のスプーンだってぎらぎらしている
すぷうん なんてなまえのくせに
いきをしているんだ
白濁のレンズ越しに
煌くことはない
ノイズまじりのほそい声が
耳元でちくちくするの
いびつに突き出た膝のあたま
成長痛は
もう、こない
たぷんたぷんと
おなかのなかで水の揺れているおとをきいたよ
うん、
わからないけど、
水だったらいいなって
おもったから
瓶底で さんざめく 海
あは 炭酸のあじだ
まるであたりまえに
すべてがちぐはぐでさ
かえりたいくせに
ありあまるひとしさで
夏の電車みたいにすずしい
ぶさいくな
ひざこぞうが
しかくいへやで
ないてる