ジョージ・ゴールドシュタイン詩集「一日の過ごし方」
花形新次

久しぶりに神保町に行ったので
ビニ本でも買おうかと思ったが
売っていなかったので
1970年代初期に活躍した
ニューヨークのユダヤ人詩人
ジョージ・ゴールドシュタインの
詩集「一日の過ごし方」を買った
大好きな「癖」という詩が載っているもので
学生時代に手に入れ大事にしていたのに
トイレットペーパーを切らしていた際に
尻拭き紙として使ってしまって以来
どこを探しても見つからなかった
それが偶然見つかったのだ

足の親指の爪の間に
黒いゴミがなかったら
爪を切る楽しみはなくなる
あの臭いを嗅いでいるうちは
馬鹿らしい戦争も反戦活動も
すべて忘れて
臭いに集中していられるのだ

という一節で始まる「癖」という詩は
私の人生感が180度変るほど
大きな影響を与えたくれたものであり
今回も読んだ後直ぐに
鼻くそを包んで捨てようと思うぐらい
私にとって重要なものなのだ



自由詩 ジョージ・ゴールドシュタイン詩集「一日の過ごし方」 Copyright 花形新次 2021-03-11 21:15:30
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