夏への自由
塔野夏子

ふたたび
夏への自由が
窓辺で翼をひろげはじめた

  欲しいのは何
  疾走感
  浮遊感

誘われ
委ねゆこう
痛みの暗い罅を
抱いたままでも

夏への自由が
窓辺で白銀の翼をひろげてゆく
虹を滴らせながら

  疾走感
  浮遊感
  お望みのままに

ふたたび
ひらかれた瞳で
ふたたび
繰りひろげられる景色の中へ

誘われ
委ねゆくよ
痛みの暗い罅が
なおも深く 疼いたとしても




自由詩 夏への自由 Copyright 塔野夏子 2020-07-25 11:33:25
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