#05
田中恭平


さむさの中を
熱源を宿した
わたしが歩いている

欲望は
すべて文学に捧げる──
そう信仰していた
いつかもあった

茶畑
「おくりもの たばこ」の看板
自動販売機
塗り替えられたコンクリート

線香の匂いにクラクラして
ゆらゆらして
ヒラヒラして
歩いてゆく

脚は大丈夫か?
右脚の膝の痛み
だれかと交換してしまいたい
もう若くなどない
文学

その基準にすれば

夕陽
嘘だろ?
今は夕陽に怖さがない
椅子の上の精神も歳とった

縁側で休む

ぼろぼろの軍手が
わたしの運命




自由詩 #05 Copyright 田中恭平 2020-03-21 17:20:40縦
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