戯言050410
あおば


桜の下のあるあるさんとこの探検隊の


桜の下の
あるあるさんとこの
探検隊の
住んでいるマンションで
三番目にかわいい女の子
大学四年生になりましたが
これからも
歩いて駅に向かうことはありません

今朝もクラスメートの
いつものアッシー君がお出迎え
365日の無料奉仕を喜んで
待ち草臥れて
桜の花びら眺めてる
薄いピンクがお気に入り
ヒラヒラ飛んで舞い踊る
夢の中の女の子
普通はそれを花の妖精と言うんだけど
アッシー君は車が好きで
妖精を見たことがないのです
その代わりといってはなんですが
徹夜バイト明けの朝でも
期末試験中の一夜漬けの朝でも
ケータイ呼べば駆けつけて
ドアが開くのをじっと待つ

卒業したらお別れと
互いに感じてはいるけれど
もしかしたらとアッシー君
来年の桜の季節を夢みてる
お花見の人たちが
時間を忘れて
歩いてる
時間よ止まれと
思うのだ
桜の下の
渋滞する道路の上で
のろのろ運転するアッシー君は焦るけど
駅の電車は正確で
最上級生は冷静で
ここでいいから
ありがとう
ちょっと笑顔でドア開けて
あっという間にいなくなる
気がつけば
道路の向こうも満開の
薄い色した桜たち
満開のいつもの笑顔で待っている

桜のカーブはきつくないけど
坂道で
一時停車は出来ないのです
アッシー君はアクセル踏んで
もと来た道へぶっ飛ばす
一夜漬けの入社面接待っている
花の都の高層ビル群

四角四面のガラスの社屋





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初出 poenique 即興ゴルコンダ (2005/04/10)



未詩・独白 戯言050410 Copyright あおば 2005-04-10 04:44:03
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