空杯
matirius

日の下の世界はままごと、すべては形式
内容を尋ねども、渇望を知るばかり
徒労の夜をなだめる杯に
仮初めの真理と陶酔が満ちる

いったい、渇きと慰めのほかに
あるいは、地上に注がれた商品群と
それを生み出し購う労働のほかに
内容など無いのだとしたら?

渇望が徒労を生み、徒労が渇望を
我らはまことに喜劇役者だ

無限の杯の底から泡が
浮かんでは消えてゆく

空しき杯よ、誰が為に?


自由詩 空杯 Copyright matirius 2020-02-13 23:25:33
notebook Home