星空への螺旋階段
塔野夏子

頭上にはきらめく星に満ちた夜空があり
その夜空へと向かう銀の螺旋階段があった

その螺旋階段を
のぼってゆく二人がいた
それもワルツを踊りながら
くるり くるりと
軽やかに優雅にのぼってゆくのだ

息を切らすこともなく
ただ軽やかに優雅に
夢のようにのぼってゆくのだ

くるり くるりと……

うっとりと見とれているうちに
いつしか二人の姿は星空へと消え
銀の螺旋階段も消え失せていた

あの二人はもしかして
かつての純粋だった自分と
その自分が恋したひとではなかったか

などと
思ってはみない方が
銀の螺旋階段と
ワルツを踊りながら軽やかに優雅にのぼってゆく二人の
イマージュは美しいのに違いなかった




自由詩 星空への螺旋階段 Copyright 塔野夏子 2019-12-31 20:38:15
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