最後の仔
シホ.N



ハンドサインで
助けを求めた
サインの意味も
知らないまま

宇宙中の
はるかどこかに居るはずの
僕の親玉に
サインを送る

見放された仔の
無力と絶望

彼方からくる
暗示ももはや
途絶えがちで

混沌のうちから
この生を受けるも
生まれ落ちた衝撃で
使命も指令も
そんなものがあったのかさえ
忘れてしまった

そうして僕は
つぶされる
全身全霊
つぶさに滅びる

あなたの
最後の仔になる
覚悟はすでに
できていたのに


自由詩 最後の仔 Copyright シホ.N 2019-12-02 23:16:42
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