すくう手
かのこ

濃密な波に揺られる
ひとり
ごく自然に
指が落ちていく
言葉を持て余したまま

閉じた目蓋、唇
ぜんぶ、あなたへの思いに
結び付けて
深く、息を吸って

その声で
名前を、呼んで

呼んで


未詩・独白 すくう手 Copyright かのこ 2005-04-05 10:49:29
notebook Home