妖精のブールドロ
丘白月


満月の夜に摘んだリンゴ
恋を失くした子と一緒に
眠れない夜に香りをつける
丸ごとパイで包んで
パパのラム酒をこっそりと

窓から見えるリンゴ畑に
月が降りて遊んでる
跳ねる虫の影は宇宙船
バターが果汁に溶けていく
焼きあがりの煙が月を隠す

失恋の痛みは私が代わりに
忘れずに持ってあげるから
このブールドロを食べて
ゆっくり心の荷物を軽くして
苦い実は甘く酸っぱく



自由詩 妖精のブールドロ Copyright 丘白月 2019-09-12 18:08:48
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