静 物
塔野夏子

わたしという器に
一塊のさびしさが盛られている

それは
昏い色をしているのだが
光の当たりようによっては
時に
ほのかに真珠光沢を帯びる箇所があったり
ほのかに虹色を帯びる箇所があったり

ところで わたしは
この一塊のさびしさを容れている器なのだが
とすると このさびしさを
描写しているのは
誰 なのだろう







自由詩 静 物 Copyright 塔野夏子 2019-08-15 10:51:08
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