雲の種
丘白月



閉めたブラインド
風が隙間を探してる
湿ったコットンが
乾く場所を探してる
少し開くと一気に
夜行列車のように
光の数珠が流れて来る
一瞬見える青空に
涙を吸った雲が浮いてた
もう乾いてしまったの
一人で秘密を抱いていたけれど
もう何もいらない
カタカタ揺れるブライドが
もう自由にしてと言う
綿毛が苦い涙は嫌いと言う
一つ掴んで飛んで行く
落ちてもいいと思う
目を閉じて空の匂いを見る
雲の種を握りながら



自由詩 雲の種 Copyright 丘白月 2019-08-13 16:51:34
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