ナホちゃん
オイタル

ナホちゃん
花を摘んであげよう ほら
短い時の中に隠れていた
にじんだ星みたいな花です

 砂利の敷かれた軒下で
 開いた春のままごとの
 ほんの少しのお客さま
 困った顔のお客さま

お前があんまり泣くからです
お客さま 残した影の
薄れていく辺りに
黄色い花房を寝かしてあげよう

 ナホちゃん
 あの日
 あなたが摘んで流したつめくさの
 今はどの空に浮かんでいるやら


自由詩 ナホちゃん Copyright オイタル 2019-07-07 08:37:09縦
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