青い目
鈴木歯車

生姜焼き定食なんて食べながら「来世もヒトがいいね」と言った

煙草ならしっかり消した 不審火で死んだ友への無実をこめた

泣くだろうけれどいつかは聞かなくちゃ、ぼくの右目が青い理由を

思い出は美しいなんて嘘なんだ酒酒酒酒酒酒をくれ

ここは砂の国 おそらく夢想家は1000の言語で海と呼ばれる

いつまでも聞いててあげる いちどだけぼくを殴った昔の話

「父さんにそっくりの字」と母は言う 彼の写真も知らぬ私に

想像の夜はいつでも涼しいか、精液のように夕立が降り

ランドセル置いて出てった日々たちよ 今はスーツの君に輝け

浴室をブラシで掃除するだけでゲルニカを描くピカソの気分

指の隙間を埋めたくて君の手を見つめることも恋だったよな?


短歌 青い目 Copyright 鈴木歯車 2019-06-01 22:45:11
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