日々の手ざわり
水宮うみ

手から、たくさんのものを受けとった。
けんかした友達と次の日に、旧友が遠くへ引っ越す日に、手を握り互いを認めた。
母親と人混みの中で、好きな人とふたりっきりで、手をつなぎ存在を確かめた。
おじいちゃんや同級生と、腕相撲をした。手が冷たくて不安になったり、手が大きくて驚いたりした。
雪合戦をした。バトンを渡した。涙をぬぐった。
人と手が触れたとき、謝ったり、まじまじと相手の顔を見たり、頬を赤らめたりした。
すべての日々が、この手と一緒だった。
すべての詩を、この手とともに書いてきた。
今までも、これからも、本当にありがとう。きみのおかげで、通い合えた心がある。
ぜんぶぜんぶ、大事にするよ。


自由詩 日々の手ざわり Copyright 水宮うみ 2019-04-06 13:47:34
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