終わりの手
中田満帆





  終わりの手のなかで磔にされたイエス
  おもての審問はさわがしくむじゃき
  信仰のないその手のなかで
  そいつはあまりにみじめたらしく悲しい
  ちいさな室がカセドラルみたくその手の主を囲い、
  そして奪えるものがあるとすれば奪っていく
  しかし奪えるものなんかとうになくなってて
  幾年に及ぶ怒りと憤りだけがかれの骨をしゃぶってるんだ
  望むとすればこの現身から遁れるための洞穴
  あるいはなまえのない鉄道
  少年時代
  かれはわかってた
  自身が出口のない森に立たされてるってことを


自由詩 終わりの手 Copyright 中田満帆 2019-03-17 19:15:54縦
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