『明日戦争が始まる』宮尾節子 批判
一輪車

この詩がどうしょうもないのは、
1.まず、「戦争」とか「平和」という概念への洞察がうすっぺらで貧弱だということ だ。
2.また、世界と日本という空間概念についての考察もすっとんでいる。
3.さらには「人を人とも思わなくなった」り「心を心とも思わなくなった」り
「命を命と思わなくなった」りすることの原因を、それぞれ
まいにち満員電車に乗ることや、インターネットの掲示板のカキコミや虐待死や自殺のひんぱつ
のせいにしていることだ。
これらはたんに現象であって、これらの表象の裏に真の原因があるのにそれにはなぜか触れようとしていない。
それに迫れば、どうしても「グローバル資本主義経済体制」という難儀なものに行き着く。
それに行き着けば、そもそも1の「戦争」と「平和」という区分付が無意味になる。

なぜなら、戦前も戦後も、ずっと世界では戦争がつづいており、それは中国や西欧諸国のグローバル経済体制が
否応なくもたらしたものであることに行き着く。その体制を維持するためにずっと世界のどこかでは
戦争が続いているという事実。

つまり戦争はいまさら「始まる」ものではなく、人類の誕生以来ずっと続いており、わたしたちが感じている「平和」とは、
たんに、台風の目のなかにいて無風状態を体験している奇特な地域の、一時的な休戦状態にすぎないということです。
そのことを考えてみれば「平和」なる物言いが、目先だけをみた 危険なたわごとにすぎないことに気づくはずです。

わたしたちはそのことに目をつむって「平和だ」「平和だ」とほざいてきた。事実から目をそむけるなよ。
戦争は始まりもしないし終わりもしないのだ。

明日戦争がはじまる
  まいにち
  満員電車に乗って
  人を人とも
  思わなくなった

満員電車に乗ったくらいで、
人を人と思わなくなったのだとしたら、
それは宮尾節子、おまえさんだよ。

  インターネットの
  掲示板のカキコミで
  心を心とも
  思わなくなった

インターネットの書き込みくらいで
心を心と思わなくなったのだとしたら
それは宮尾節子さん、おまえさんだよ。

虐待死や
自殺のひんぱつに
命を命と
思わなくなった

虐待死や自殺があればおれなんかさらに
命を大切に思うが、そうでなくなったのなら、
それは宮尾さん、あんたのことだよ。

じゅんび

ばっちりだ

戦争を戦争と
思わなくなるために
いよいよ
明日戦争がはじまる

フザケたこといってんじゃねえよ。
どうして「戦争を戦争と思わなくなるために」だよ。笑
なんの論理的整合性もないじゃないか。
もうすでにしておれたちの国、社会は半世紀も前から
「戦争を戦争と思わなくなって」るじゃねえか。

いい加減にしろよ、婆あ。(無責任なこの手の、自称詩人に多い、能天気な
一ミリも知性のないことばを目の前にしてつい「婆あ」などと
はしたないことばを口走ってしまいましたが、すみません
訂正するつもりはありません。^^

いまここで仮に"それ"を「X」(エックス)としましょう。
わたしたちはじつは「X」のことをよく知っている。
しかし「X」のことを知らないふりをしている。
あるいは、忘れたふりをしている。

なぜなら「X」のことにふれると、じつは、
戦争はずっと昔からあったことに気づくから。
始まるどころか、
戦争はいつも終わっていないし、
いつだって真っ最中だし、
「X」がある限り終わることもないことに面と
向かわされるから。

そこで、「X」には触れないで、
満員電車やネットや虐待死が、
戦争を戦争と思わないこころを準備させているのだと書く。

  じゅんび
  は
  ばっちりだ

  戦争を戦争と
  思わなくなるために
  いよいよ
  明日戦争がはじまる

いやいや、戦争を戦争と思わなくなるために、
どころか、
わたしたちはずっと「戦争を戦争と思ってなかった」のですが?
いやいや、「明日戦争がはじまる」どころか、
世界では「X」のためにずっと戦争続きですが?

すると宮尾節子と、その賛同者はこういって怒るかもしれない。
バカなことをいってるんじゃない。
日本は戦後70年近く平和を続けている。
この事実を大事にしたいと思わないか?

もちろん、「X」のために世界中に難民があふれようと
未開国が爆撃されようと、
この国さえ平和なら、文句はあっても、あまり面と不服はいわないですが......
でもね、
『明日戦争が始まる』宮尾節子さんの詩が注目されたのは、
他ならぬ、この日本国の平和が危うくなっていると、
危機感を持つ人たちが増えたからでしょう?

そうするとね、「X」に触れないこの詩は、北朝鮮ミサイルと
同じなんですよ。
危機意識をもった人たちによって
現政権が強化されるというパラドックを生みだすのです。

さて、ここでもう一度、はい、

     いい加減にしろよ、クソばばあ。

ご苦労様でした。^^


散文(批評随筆小説等) 『明日戦争が始まる』宮尾節子 批判 Copyright 一輪車 2019-03-17 04:23:16
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