髪を切りにいこう
Sisi

一周まわって今時の
君の着る服が、
私の前髪をきれいに揃えようとする

君のきるシャッター音が
あまりにデジタルなので
私は前髪を揃えようと思うのだ


私の肺の穴あなから
ミツバチ共は飛び出していき
懐古的な匂いのする
少し焼けたセピアの蜜を
私の胸の舌の上へ
いかにも優雅に垂れ流すのだ


もしも君が
私の鼻歌に驚きの顔を見せたなら
私はこのまま、髪を切りにいこう





自由詩 髪を切りにいこう Copyright Sisi 2019-03-14 23:16:35
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