待ち人
涙(ルイ)

明日はどんな顔をして
ボクを待っているだろう
笑って迎えてくれるカナ
それとも怒って殴られるカナ
そもそも待っててくれるのカナ
こんな こんなボクなんか

ボクはどんな顔をして
キミに会いに行けるだろう
笑い方を忘れた悲しき道化師カナ
それとも あてどもない淋しき旅人カナ
キミは傷つけられたとボクばかり責めるけれど
そんな云い方をするキミにボクだって傷ついてるんだ
あんなふうに傷つけあうつもりじゃなかった
どうしていつもこうなんだろう
どうしていつもこんなふうになってしまうのだろう


街はどんな顔をして
ボクらを見つめているだろう
いつまで経っても大人になれないボクらを
憐れに思ってくれるカナ
それとも呆れ果ててしまうカナ
行き交う車の音がうるさすぎるから
行き交う人の声がうるさすぎるから
ボクらはいつでも ヘッドホンで耳をふさいで
俯きがちに歩いてる
生きてるだけで罪を犯してるような気がして
心の中じゃいつだって
すみません すみませんと頭を下げてる
誰になにを謝っているのかもわからないままに
通りすがりの知らない人に肩をぶつけられて
ぶつけられたのに舌打ちされる始末
それならいっそ自室へこもって
どこへも出掛けなければいいのかもしれない
それでも それなのにボクらは
今日もいそいそと 街へと出かけてゆくんだ
退屈に窒息してしまわないように



明日はどんな顔をして
ボクを待っているだろう
笑って迎えてくれるカナ
それとも怒って殴られるカナ


それとも怒って殴られるかな








自由詩 待ち人 Copyright 涙(ルイ) 2019-03-08 07:46:45
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