春近き夜
坂本瞳子

春が近いというのに
雨が降る
まだ冬だ
まだ寒いのだと
居丈高に叫ばんばかり
猛威を奮う勢いで
果敢に冷たい風を吹き付け
横殴りの雨を降らす
梅の花を開かせぬよう
月の光を輝かせ
冷たい夜空を潤す
弥生の笑顔は
今宵もまた寂しげに


自由詩 春近き夜 Copyright 坂本瞳子 2019-03-03 18:54:28
notebook Home 戻る  過去 未来