世界と雨
umineko

おはよう
世界がひどすぎて
私は眠るしかないよ

あんなに頑張ってたあの人が
血液の病気になりました
私ならどうしただろう
目標
生きること
競泳プールも
ポイントカードも
みんなみんな
ゴールがあるのに
生きることにだけ
それがない
小さな
長い石段の踊り場のような
そんな場所が
あるだけ

自分のためにだけ
時間を使えばいいって
ほりえもんなら言うかもね
私は

生きているのか死んでいるのかわからないような毎日を
おくるのは嫌だなあって思ってた
でも
ちょっと違うかも

百万粒の雨粒になって
空を浮遊する気分だ
おもては雨が降っている
重力と時間はよく似ている

おはよう
私は閉じた窓の隙間の
向こう側を思うのが好きだ
路面電車の発車の音が
空に響いて雨を待つ

おはよう
間に合わない
たくさんの後悔が
雨に紛れて空を撃つ
 
 
 
 


自由詩 世界と雨 Copyright umineko 2019-03-03 08:12:45
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