ヤモリ
そらの珊瑚

最近ヤモリは現れなくなった
夜のはめ殺しの天窓に映させている
流線形のシルエットが好きだった
イモリだったかもしれない
それとも風に導かれて降り立った
小さな神様だったのかもしれない
便宜上ヤモリとうちでは呼ばれているけれど
そもそもヤモリは自分が誰なのかなんて興味ないだろう
好きといいつつ
ほんとのことなんてなにひとつ知らないまま
季節は閉じられていく
生きていることと死んでいることの間に
リボンがゆらゆらとはためいていて
機械ではないわたしたちは日々
細胞を分裂させている
奇跡のように



自由詩 ヤモリ Copyright そらの珊瑚 2019-02-28 11:09:42縦
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