もうひとウネリ
藤鈴呼



不謹慎な程にウネル波型が美しい
トルネード・ポテト

和食が似合うのだから
「じゃがいも」と呼びなさい



説教をしている声が
油塗れのプチプチ音とともに
絡まり合う夕刻の雰囲気は

憂鬱な湿気に包まれて
酷く臭うけれど
止められない常習性をも
醸し出して行く

こんなに甘いメロンを食べてしまえば 
もう 普通のメロンを食べられなくなってしまいそうだ

倖か不幸か 誕生日に合わせて食べた
初メロンの産地は夕張

貼って行くのはマスキング・テープと
相場が決まっていた筈の

四角いパレットに
桃色の画用紙を垂らしこんで 

ヨダレの出る角度で
ミシミシと揺れたのは

足元の畦道を必死で踏みしめる
麻の履物

何時か踏みしだいた畳の匂いが 
ふんわりと過る

脳裏の奥からはみ出した波が 
もうひとウネリ

道は続く うねうねと 
どこまでかは 続くのだ

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自由詩 もうひとウネリ Copyright 藤鈴呼 2019-02-28 00:22:01
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