春の賛美
あおいみつる

曇り空の街
みあげれば梅の花
川の水はぬるくクリアにゆるやかに流れ
白鳥は電線で獲物を狙い
桜の蕾は春をはらんでいる

曇り空の街
赤子を抱く若き母は
通りすがる人に優しく微笑む
土の中で虫たちが思い出したように眠りから覚める
芽吹く命たちの予感と存在がこだまする

曇り空の街
命たちの賛美が聞こえる





自由詩 春の賛美 Copyright あおいみつる 2019-02-26 09:32:18縦
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