踏み固める
まーつん

いつか
そのうえで踊るため
香ばしく腐りゆく土を
踏み固める

汚れていく裸足が
大人になっていくようで
誇らしい

肌に刺さるほど近い景色を
押しのけると、それは霞みがかり、
甘い誘惑、羨望の対象となった
砂糖菓子のように

ある朝
私は踊り始めた
汗をかき、白い息を吐きながら
振り乱す髪が、時の色に染まるまで
己の美しさに酔って

そして
土は耕し、植えることもできると知ったのは
足元の地面が、ひび一つ入れられないほど
冷たく固まった後だった

暮れなずむ空の下
私は泣きながら横たわった
服を編む綿も、米を結ぶ稲も
今となっては植えることはできない

飢えて凍える裸の私を拒む程
土を頑なにさせてしまった

愚かなプライドという踵で
踏み固めた心の土壌を
爪が剥がれるまで掻き毟った

私は
私を変えることはできない

この土を
ほぐさない限りは


自由詩 踏み固める Copyright まーつん 2019-02-23 07:24:58
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