青い血の明滅
帆場蔵人

ちいさな丘の木立をぬけて奔放に踊るものたち
白みがかった光と戯れる雪華のなかで
あなたのこめかみに浮かぶ青い血の流れ

わたしはそれに触れたい

生命は絶えず流れ、流されて
ふいに出逢ったかと思えば
雪につけた足跡のように
明滅して去ってしまう

誰かの足跡に氷がはっている
それをしばらく眺めていよう
それからふたりで鶏たちから
卵を掠め取りにいこう

雪華に惑うふたり
奔放に踊るものになる

青い血の流れは指先まで
ひとつになり絡みあいながら
戯れ踊るふたつの足跡を遺していく

わたしはそれに触れていたい


自由詩 青い血の明滅 Copyright 帆場蔵人 2019-02-20 14:16:32
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