猫だったころ   作:猫田川漱石にゃ
パン☆どら

ボクが猫だったころ
つがいだっただったキミは
今は別の男と暮らしている

キミのことを想うと
胸に小さな穴が開く
そこから風が吹いて
時には小鳥の声で鳴いたりする

穴は次第に広がって
ある日
ボクは鰹節になった

それを拾ったキミが
みそ汁の出汁に使っている
なんだか懐かしい香り
そういいながら

具には
ボクの好きな絹ごし豆腐とさやえんどう

桜咲くころ
二人でよくじゃれあって遊んだね
湯気の向こうで
あの頃の猫たちが笑っている


自由詩 猫だったころ   作:猫田川漱石にゃ Copyright パン☆どら 2019-02-16 09:49:48
notebook Home 戻る  過去 未来