ブルーにこんがらがって
TAT
俺はとかお前にとか
しろとかやれとかするなとか
命令口調で詩を書く訳は
ひざまづいて火を崇めたいから
征服したいんじゃなくて
君の苦しみをシェアしたいから
僕は今はもう39歳のおじさんだけど
ここは前も高速道路だった
この高架は前もあって
僕も高校の頃は君と同じように
ここで真夜中に泣く
行き場所の無い野良の乞食だった
だからどうか
ヴァナ・ディールの丘で僕は君と出逢った
雨の降る夕暮れに
給食のプリンを給食袋に入れて
放課後にそれを君のコーポに届けた
カンカンと鉄の階段を一足飛ばしで駆け上がって飛行機雲は
鮮やかに
今を過去と未来に切り分けながら
90年代の空を
ブルーにこんがらがりながら
吠え貫いていった
今はもうそこは介護施設になっていて
介護施設の前はケーズデンキで
その前はミニストップだった
ミニストップが出来るん?て聞いて
そやでって君が言った
ゆりちょん絶対ズル休みやで
NHK全部観てから
いいとも観てごきげんよう観とんで
きばっち
ゆりちょんに
プリンと一緒に
ホワイトチョコ返しに行くんやろ
エロ
は?
チョコとか貰ってないし別に
何度思い出そうとしてもうまく思い出せない
あの時
結局きちんとお返ししたんだっけ?
プリンは絶対渡したそれは
確かなんだけど
プリンと一緒に
ちゃんとバレンタインのお返しをしたんだっけ?
未だに思い出せないや
君は五年の時に転校したから卒アルに居ない
なんかさ
こないだびじゅチューンで「平熱でうらめしや」やってて
ふと思い出したんさ
ゆりちょんあん時
絶対ズル休みやったやろ!
自由詩
ブルーにこんがらがって
Copyright
TAT
2019-02-16 00:47:27