しろくろ
帆場蔵人

降り始めた雪に黒い瓦の屋根が
しろくろしている、だれかが走って
いったのか、驚いたように白黒している

近所で赤ん坊のなき声だ
しろくろしてんなぁ
ぼくだって産まれて初めて雪をみて
しろくろとないたに違いない

あゝ、あの黒い瓦の屋根を
だれかが走っていったんだ
それだけは間違いないのだ

白黒、しろくろ、白黒、やがて
そこいらじゅう、しろしろするだろう


自由詩 しろくろ Copyright 帆場蔵人 2019-02-14 22:55:31
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