踏み絵
ミナト 螢

洗面器の中に
水を張って
浮かべた夜空は
もうひとつの庭

駆け回りながら
届かないと
諦めてしまった

心に集まる
大地の音感

聴き返す時間を
貰えるのなら
門限は破られる
この日のため

靴下を捨てて
裸足で踏んだ
月は角を立て
ソリを探すと

明日の居場所に
君を置きたいと

生まれる前の
光を予約する


自由詩 踏み絵 Copyright ミナト 螢 2019-02-14 16:03:56
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