俺が歩かなくても
こたきひろし

たとえ
俺が歩けなくなったとしても
路は途切れないさ
たとえ
俺に朝が来なくなっても
街路の樹木は立っているさ
たとえ
俺が夜に溜め息をつけなくなっても
繁華街の立て看板に明かりはつくさ

たとえ
悪酔いした知らないおっさんが電信柱にゲロを吐いたって
俺の経年劣化した手足の痛みはどうにもならないさ

捻れてしまいそうな俺の心
歪んじまったかもしれない俺のたましいってやつ

生きているって
厄介なんだけど
死ぬって全く理解できないでいる
ああ
天才になりたかった
俺は馬鹿野郎だ


自由詩 俺が歩かなくても Copyright こたきひろし 2019-02-14 00:31:00
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