生活 #07
田中恭平

くすぐったいよ
音楽が
くすぐったいよ
ディランの声が
きょうもハードに働いて
一抹の嗜癖をたのしむ
ぬくぬくと
ぬけぬけと

ひとり、さいわいになってゆくたび
気づいたら
わたしも悪人になっていた
退屈が
退廃になっていると
気がついた
わたしは悪人になっていた

あれはあおぐ価値もない空だ、
と言ってしまおう
飲む価値もないコーヒーだ
と言いつつ、飲んでしまおう
くすぐったいよ
カフェインが血管をとおるとき

水曜日
水のように形を変えて
いま雨の心配はないけれど
この不安は
ずるい自分をころせば失せるかな

くすぐったいよ
音楽が
くすぐったよ
骨から肉、が弛緩してゆくよ
ううん
あれはまぼろしの天使だ
ほんとうがあんなに美しい筈がない




自由詩 生活 #07 Copyright 田中恭平 2019-02-13 09:56:44縦
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