考古学が好きなんです。(よーく、かんがえてよね?わかるでしょう?)
立見春香


ほんとはね、考古学なんてどうでもよかったの
常識って、あるでしょ?
どこの世界に
日がな一日土掘って
見つかるかどうかもわからない土片を探すのが
大好きって女がいるのよ?
ほかに世界には
楽しいことがいっぱいあるじゃない?
普通にかんがえたらわかるはずよ。
どうして彼だけはそんな簡単なことわからないの?
あるいは、わからないフリしてるの?
私の考古学へ賭ける真摯な態度は
すなわちそっくりそのまま
彼に対する私の真摯な愛情だって
普通、気がつくでしょう?
土いじりが好きなら
家の裏の小っちゃな花壇で
花でも育てているわよ
あるいは、実利的に考えるなら
野菜でも作っているわよ

でも、休みの日には
すべてに優先して
発掘作業に一日潰して
そんな
見つかるかどうかもわからない
そんな逆ロシアンルーレットみたいな
それも銃弾が入ったり入ってなかったり
そんな不安定な恋、あ、違った
そんな不安定な発掘作業に
私、青春とか捧げたわ。

もう、過去形にしてもいいかもしれない。

私、青春とか捧げたわ。
見返りは
求めたわ
彼の愛
けど、
それは、
銃弾が入ってないほうの
逆ロシアンルーレットだったみたい
私、青春を捧げてしまったらしい
捧げたのは
考古学に?
いいえ。彼に、捧げた。
そして今はもう、ないわ。
そんなだれがみてもわかる私の気持ちが
彼にだけ気づかれないって、
そんなわけ、絶対、ないわ。
なら答えてもらっていたんだね。
私じゃダメだって。
なら、私の青春を返してよ。
もう、ふりでもなんでもいいわ、
あなた私に付き合いなさいよね、
お休みの日のお買い物やお食事くらいには、ね。
あれだけ私の純情引きずりまわしてたんだから、ね。
それくらいしてくれても
いいと思うの、
てか、そんなことさえできないっていうなら
もう、泣いちゃうぞ。
困らしてやるんだ、きっと、泣かれて困る
やさしい人のままなんでしょう?





自由詩 考古学が好きなんです。(よーく、かんがえてよね?わかるでしょう?) Copyright 立見春香 2019-02-12 22:38:07
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