水門の休日
Javelin

浮遊している座布団の上に立っている
長い長い
己が棹を鯉のぼりに見せかけようとしている
水門の釣り人たち
正面に回り込めば
身が引き締まるような旧い見事な水茎
細い道が出来上がって
シシャモの泳ぐ川へと繋がらない
其処で行なえば罪に問われる
夕陽が金幕に悠々と寝そべっている
その眩い夢うつつをカヌーで引き裂いて
なんという
贅沢な聖域
その水面に映りこむ
輪郭の緊張が綻んでゆく
日曜日の夕景となって
休日はあと一日もある
土曜日の
水精か
帰りの狭い道路には
先ほど轢きそうになった
草叢から飛び出してきた
北キツネが
黄金色に寝そべって
こちらをじっと見つめている


自由詩 水門の休日 Copyright Javelin 2019-02-12 00:23:58
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