新妻の朝
愛心

薄く、もやのかかる、まだ暗い午前5時。
隣に眠る彼を起こさぬよう、そっと身体を起こして
冷たい空気に、震える
毛布の上に広げた袢纏を引き寄せて
熱い身体から熱が逃げないように
忙しなく羽織り、ベッドから降りた。

カーテンを開けると、窓が濡れていて
レースカーテンの裾が張り付いていた。
爪先で、つい、と剥がし
黴の心配を一瞬だけして、
彼の額にキスを落とし、キッチンへ降りていく。


自由詩 新妻の朝 Copyright 愛心 2019-02-11 22:28:09
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