思春期
中原 那由多
午前、ノイズを盗んで冷徹
小さな鞄を持ったまま
君は長い廊下を駆け抜ける
振り向けば残像、夏の音
正午、チャイムに隠した微笑
摩天楼の隙間から
君は鋭い八重歯を突き立てる
目を逸らせば後悔、夏の色
午後、ビートで刻んだ退屈
彼方の雷鳴に心が騒ぎ
君は夕立の下で踊り狂う
手を伸ばせば妄想、夏の匂
自由詩
思春期
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中原 那由多
2019-02-05 22:34:59
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