絆というものを私は
umineko

絆っていうことばがあって
糸へんに はんぶん
半、はもともと
牛の意味で
こちらと、むこう
分けられた牛
それをつなぐ綱ということ

それは縛る道具だ

だからこんなにめんどくさい
縛られたくないくせに
つながっていたい
人はいつでも
臆病だから

群れをなし
その結果
群れの中で競い合う
人は人が大好きです
競い合うだけ
なのにね

誰もいない丘の上に
コスモスが咲く
それは
花ゆえできること
私には無理

牛を繋ぐ綱のように
誰かが私をおびやかす
私はいつまで私であるのか
わからなくなってくる

誰もいない丘を越えて
私はゆくだろう
喧噪と
あきらめと
欺瞞に満ちた人の国
その群れの中

絆に縛られ
あるいは求め
いつまで
私なんだろう

あるいは
大きな牛の群れ
いつまで
けものなんだろう
 
 
 
 


自由詩 絆というものを私は Copyright umineko 2019-02-05 00:16:49
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